このたび角川ドワンゴ学園より2025年度からの通学コース「週1」の料金改定が発表されました。入学金・授業料・施設設備費が対象になるため、初年度については最大42%の値下げになるそうです。
通学コース年間学費(初年度)
・週5日 950,000円
・週3日 725,000円
・週1日 500,000円→2025年度より290,000円通学コース年間学費(2年目以降)
・週5日 850,000円
・週3日 625,000円
・週1日 400,000円→2025年度より240,000円※通学にあたってはこれとは別に単位制・通信制課程の学費や、指定の「Mac Book Air」・セキュリティーソフトの購入が必須となります
N高の通学コースといえば、世間的にはお金に余裕のあるご家庭のお子さんが通うイメージがなきにしもあらず。金銭的な理由で親御さんの反対にあう、または通学のオプション追加をあきらめる生徒さんもいるのではないかな。
今年度の通学コースの入学式、ゲストとして招かれたGACKTさんが冗談めかして「那覇キャンパスの学費は下げさせます」と言っていたらしいし(笑)。
もちろん50万→29万に下がったところで、他にもかかる費用はあるし「おトク!」「激安!」ってほどでもないですが。この金額なら通う日数に見合ってる感じがするし、同じ価格帯のサポート校とも比較検討対象になるんじゃないかな? 2025年度に入学予定のわが家にとっても大きなニュースでした。
通学する生徒を増やしたい学園のねらい
N高グループは2025年度に全国のキャンパスを100ヶ所に拡充予定。今まで通えるキャンパスがなかった地方の生徒さんも足を運べるよう、日本各地にどんどん開設していくような流れがみえます。
しかし開校当初は「ネットの学校」をアピールしていたはずの角川ドワンゴ学園。一転してキャンパスを増やす決断に至った背景とは果たして? それについて現役高校教員(N高ではない)の方がこう解説しているのを見つけました。
N高グループが大きく変化した点は、サポート校をすごい勢いで増やしているところです。スクーリング以外はオンラインが売りだったN高。卒業後の大学、専門学校など退学率がとても高かったのです。やはり、定期的に外出する機会がないと、いきなり毎日多くの人に囲まれて学業をするのが難しいようです。それで、すごい勢いで週に一回以上は通学するためサポート校をガンガン作っています。
通学に時間を取られない分、それぞれの生徒がやりたいことに時間をさけるのは通信制高校の強みです。実際N高グループでもさまざまなカリキュラムが用意されているし、体験型のプログラムなど選んで参加できたりもするようです。たとえ通学しなくてもアルバイトやボランティアなどを頑張り、充実した日々を送る生徒さんは多いことでしょう。
ただフタをあけてみると、時間があっても積極的に外に出ていく生徒ばかりでないという事実が浮かび上がってきたようで……。卒業生のその後を追ってみたら「大学、専門学校など退学率がとても高かった」という分析結果が出たとのこと。学園側としてみれば、週1日でもいいからリアルな場に通ってね!というところなのかも。もしかしたら「N高卒業生、使えねぇな」みたいな世間の印象(笑)を全力でぶっとばしたいのかもしれません。
ネットコース生の他校への転出は解決できるか
通学コースの学費は高等学校等就学支援金の対象になりません。そのため高額であることは必然的にコース変更の可能性を狭めてしまっていました。ネットコースの生徒さんが「対面でのアドバイスがほしい」「他の生徒とキャンパスで交流したい」と思っても、それに伴う出費が大きな壁となって立ちはだかります。
どうやらそれを理由に、一部の生徒さんが「N高からやむなく他校へ転校する」という事態も生んでしまっていたようです。
子供は高校1年生で、N高等学校の通信制に今年の4月に入学しています。
4か月で音を上げましたけれどもね。現在8月の終わりで、2学期に向かっています。
通信制での自主学習でのレポート提出が困難になってきているので、他の通信制・サポート校の資料を請求。N高等学校にも通学できるシステムがありますが、とっても高い。
こちらのご家庭では複数の通信制高校を検討し、秋から屋久島おおぞら高等学校へ転校することにしたようです。N高へはミスマッチも覚悟で入学を決めたようですが、結局は半年で見切りをつけることになったらしく……。同じように通学コースを「とっても高い」とはっきり言及している保護者はあちこちで見かけます。
N高グループの通学コースのカリキュラムはハマる子にはすごくハマるだろうし、週1日でもキャンパスで過ごすことで家にいては得られないリアルな交流も生まれるはず。今回の料金改定が、金額を理由に通学コースをあきらめていたお子さんにとってわずかでも希望の光になるといいなと思います。