2024年6月、株式会社KADOKAWAが大規模なサイバー攻撃に遭ったというニュースが飛び込んできました。次々明らかになった情報によれば、社内情報をゲットして身代金を要求するランサムウェアというタイプのウイルス攻撃だったよう。
N高等学校・S高等学校・N中等部といった角川ドワンゴ学園の情報については当初「サーバーが独立しているので漏洩は起こらない」というスタンスが取られていました。だから生徒には特に関わりのない話かと思っていたら、なんと卒業生や在校生の一部の個人情報が流出してしまっていることが後日分かり……。2024年7月にお詫びのプレスリリースが出される運びとなりました。夏に参加したオープンキャンパスでも、司会の方がまず最初にこの件の「お詫び」で頭を下げられました。
通信制高校を選ぼうという生徒にはさまざまな事情を持つ人もいることでしょう。もしかしたら流出したデータのなかには疾病や障害の内容など、センシティブな情報も含まれているのでは……。角川ドワンゴ学園に来年度からお世話になろうとしていたわが家にとっても、これはえらいことになったと思いました。
KADOKAWAが攻撃に遭った
最初の一報が入ったのは2024年6月9日のことです。
当初はなんだか分からないけど「ニコニコ動画」のサービスが停止されてるぞ? 不正アクセスの影響らしいぞ? という感じ。わが子は基本YouTube派なのですが、そのときたまたま知ってるYouTuberがニコニコにも動画をあげる告知をしていたようです。けれど「その動画を見に行ってみたけど見れなかった」と……。
ちなみに母はニコニコ全盛期よりもはるか古の2ch世代、もっと言うとダイヤルアップ接続でぴーひょろろの世代(大笑)なのでニコニコはアカウントすら持ってません。
しかし全貌が見えてくるにつれ、こりゃKADOKAWA大変だぞという感じになってきました。社内システムは全面ストップ、本業の出版にも多大なる影響が出て株価も暴落。これってもはや、経営そのものに影響するレベルだよね? 本体があまりに窮したらN高の運営を手放さなくちゃいけなくなってしまうのでは…?
ただ3万人近い生徒を抱える高校、そんなに簡単につぶれはしないはず。仮にそんな事態になってもどこか別の学校法人が喜んで引き取るよね。うちの子が在籍する来年度からの3年間でそこまで大きな変化が起きるとも考えにくいし…。ネットニュースをチェックしながら、素人なりにそんなことをぐるぐると考えてました。やがて角川ドワンゴ学園の個人情報流出が分かって事態は急展開します。
生徒の個人情報漏洩が確認された
サイバー攻撃を受けた「KADOKAWA」のサーバーは「角川ドワンゴ学園」のサーバーとは別だったそうで、当初は生徒の個人情報に影響はないとはっきり言い切っていた記憶があります。ただKADOKAWAの方に個人情報をコピーして業務を行った従業員がいたため、流出するはずないデータが流出しちゃったという噂で。そんな過失(?)もあって今回の生徒データの情報漏洩に至ったようです。
流出したデータがどんなものだったのかは分からないけど、電話番号やメールアドレスあたりの情報はすでに悪用されはじめているとかいないとか…。それ以上のプライベートな情報も含まれていたかもしれないと思うと、個人的には背筋がゾッとするような、頭のなかがヒヤっとするような感覚があります。
もしデータのなかに病気や障害の情報があったら? 仮にそれ、本人に告知してなかったらどーすんの? 最悪中の最悪のケースも起こしかねないよ? もちろん高校生にもなれば本人が診断を分かってないケースはあまりないかもしれないけど…。流出したデータから生徒さんが自分自身の重大情報を知るということがありませんようにと必死で願うばかりです。
それでも選んだわが家の理由
そんな一大事があってもわが家が志望を変えなかったのは、「本人が行くと決めたから」の一言に尽きます。まだ他校と迷っている段階だったら、心証悪すぎて候補から外したかもなーとも思います。でもたくさんの学校のなかから親が条件に合うところを絞り込んで、本人もようやく前向きに行こうと思える学校が見つかった段階で、それをばっさり捨てる勇気はさすがに母にはなかったです。
仕事をしている立場からすると今回のサイバー攻撃、他人事ではないと身が引きしまる思いもします。やらかしの事の大きさも分かるし、KADOKAWAの中の人たちが各所にどんだけ頭下げたんだろうと思うといたたまれない。さまざまな思いを自戒に変えつつ前へ進もうと思います。